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所感

所感3---03. The Perfume of Sins-PHALARIS/DIR EN GREY

 

聖人の血を分け与えられた人々は

沸騰したその血に全てを灼かれて操られたように狂い出す。

 

聖人の骨を分け与えられた人々は

手にした力の加減がわからず躊躇うことなく叩きつける。

 

未満の器において暴れ狂うその血を、骨を、

神は全ての人間に平等に分け与えた。

 

誰もがそのDNAを持ちながら到達する事はできず、コントロールもかなわず

その罪を深めていく。

 

骨は別れた血を呼び、血はやがて骨に感作する。

 

神に与えられたまま育み、

満たないその器から溢れさせる。

 

聖人とは善良なだけの生き物ではない。

衝動的な血を、暴力的な骨を、その器の中に秘めている。

どれだけ波立たせても、どれだけ揺さぶられても

一雫そこに落とすだけで全てを凪ぐ。

叩きつけるように強いその雫は、一定の波紋を作り、そこに静穏をもたらす。

 

聖人とは、同じ人間である。

神や聖人を神聖視する事で信心を持ち、

信心は人間に安寧をもたらす。

 

聖人の血を持つ者は、聖人が聖人であらんとする事を求めて絶望する。

聖人の骨を持つ者は、己に聖人あらざる部分を見て絶望する。

 

罪の香りは甘く漂う。

たった一瞬、そこに展かれた過ちの薫香に人は惑わされてしまう。

 

誰もが聖人のDNAを持ちながら到達する事はできず、コントロールもかなわず

生まれついての罪を深めていく。

 

 

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