2022-01-01から1年間の記事一覧
空を見上げると眩暈がする。 飛行機の音と朝の匂い。 激しい光は、そこにある一閃の輝きさえを攫って無に帰した。 奪わないで 奪わないでよ 私とあなたは対等ではない。 人間は平等な存在だとしても、社会は平等にはならない。 平等を許さない構造だからだ。…
人を変え、時代を変え、何度も同じ過ちを繰り返す。 輪廻転生があり、誰もがそこから抜け出せず、また、解脱を目指していると仮定する。 '百川、海に朝す' ある一本の川を下っていくと、いつだって同じテンポで痺れる。 まるで落雷 抉るように、脳髄に甘く響…
わずかな砂が煌めきながら降って来る。 誰もいない蟻地獄の巣から抜け出せない。 もがいてもあがいても、乾いた砂を掴んでは掌から零れ落ちていくだけだ。 私の存在ごと砂と共に滑り落ちていく。 頭上の世界はよく晴れ、羽ばたく音と共に影が過ぎ去っていく…
聖人の血を分け与えられた人々は 沸騰したその血に全てを灼かれて操られたように狂い出す。 聖人の骨を分け与えられた人々は 手にした力の加減がわからず躊躇うことなく叩きつける。 未満の器において暴れ狂うその血を、骨を、 神は全ての人間に平等に分け与…
死ぬ時は痛いのだろうか。 痛くて、辛くて、苦しくて、 情けなく感じたりするのだろうか、 その命は 小さな花が咲いて散るその儚さを惜しむ人 芽吹いて咲くことのなかった花を嘆く人 芽吹くことすらなかった花を私は胸に抱いている。 自らのその手で枯らせて…
様々な色をした君よ 君達よ 一人一人紐解けば ひとつひとつ解き明かせば なんて事はない。 一粒のラメのように輝く君の人生なのに なぜ周りに埋もれてしまうのか。 なぜ君は、他者の色に混ざって醜くなってしまうのか。 誰かが作り出した義憤がそんなにも心…