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所感

所感5---05.現、忘我を喰らう-PHALARIS/DIR EN GREY

 

人を変え、時代を変え、何度も同じ過ちを繰り返す。

 

輪廻転生があり、誰もがそこから抜け出せず、また、解脱を目指していると仮定する。

 

'百川、海に朝す'

 

ある一本の川を下っていくと、いつだって同じテンポで痺れる。

まるで落雷

抉るように、脳髄に甘く響きわたる。

そこには数多の屍が浮かんでいる。

 

泡立ち消える愛の中で幸福な感電

 

ほんのりと苦く、少しだけ痛くて、とても甘い。

渦巻くように目眩めく心地の中、甘くて苦くて甘い。

 

この大きな河川の流れから脱する事を私は本当に欲しているのだろうか。

 

あなたを失うと苦しい。

けれどあなただけが特別なわけでもない。

私だけが特別なわけでもないように

溺れるから苦しいだけ。

 

 

人を変え、時代を変え、何度も同じ過ちを繰り返す。

 

 

'omnes viae Romam ducunt'

 

We always falling that at the same tempo whenever we going a road

あなたもきっとその病に取り憑かれている。

 

首筋に噛み付いたその接点が甘く痺れる。

吸血鬼が吸血行為で永遠の命を与えるように、

生命の美しい儚さを剝ぎ取るように、

私があなたを特別な存在につくり変える事ができたらいいのに。

そしてそれがあなたを壊す行為だと尚良い。

 

私はあなたに私と同じ傷をつけたい。

そうする事でしかあなたを愛せない。

 

私の牙を濡らすあなたの血が私の肌に沁みわたって

私から滴るあなたの血が異物を溶かし爛れさせていく。

 

私たちは抜け出すべきだろうか?

この甘い病質から

 

 

人を変え、時代を変え、何度も同じ過ちを繰り返す。

 

 

真っ白なメリーゴーラウンドがある。

 

私は青い光の中で冷たい陶製の白馬に乗る。

冷めていく体温を感じながら、オレンジの光の中で笑うあなたをただ見つめる。

すれ違えど交わることはなく、その二つはただ違う方向へと進み続ける。

それぞれが同じ輪の中をぐるぐると進み続けていくだけで止まることはできない。

 

同じ人間、同じ白馬、それでも私たちは交わらない。

 

オレンジの光のあなたとすれ違う時には青い光の中を、

緑の光の中のあなたとすれ違う時には赤い光の中を通るだけだ

 

そこに特別な意味なんてない。

 

 

人を変え、時代を変え、何度も同じ過ちを繰り返しながら、

私たちは愛し合い、傷つけ合い、離別する。

 

傷つけ合っている内は抜け出せない。

同時に抜け出さないと意味がない。

それはきっと、私にはあなたではないし、あなたには私ではなかったという事だ。

 

私たちに必要なのは解脱でも涅槃でもなく、

ただそれに飽きるという事だけだろう。

 

私はその道を踏み外し、前に進もう。

 

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